とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
『シノブと話してると調子狂う…。』
『そぉ?私はリサと話すの好きよ?』
『…私も…シノブと話すのは嫌いじゃない…。』
恥ずかしそうに小さい声で呟くリサに忍は『ありがと』と微笑んだ。
『なんでだろ…シノブには素直に言えるのに、ヒューガには言えないの…。』
『わかる!“そのくらい判ってよ!”ってなるのよね~。』
『そうなの!…自分でも可愛くないと思うんだぁ…。』
『じゃあ、一日一回くらいは素直になってみたら?』
『うん…頑張る…。』
小さくガッツポーズを取るリサは本当に可愛かった。
…そのままでも全然いいと思うけどな…。
内心そう思いながら出来上がったママレードを瓶に詰め、『はい』とリサに渡す。
『明日の朝、仲良く一緒に朝ごはんでも食べなさい?』
『…わかった。』
と、玄関でチャイムが鳴るのが聞こえて二人は同時に振り返った。