とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
『リサ~!迎えが来たぞ~!』
リビングから右京の声が聞こえてリサは思わず『はぁ!?』と眉を寄せた。
『なっ…!?呼んだの!?』
『当たり前。じゃないとお前、帰らないだろ?』
しぶしぶ玄関に歩いて行くリサに右京と忍は顔を見合わせて笑った。
「気が利くじゃない…」
「別に。単に邪魔だっただけだよ。」
虎太郎に連絡を入れたのは本当だが、もちろん別件でだ。
そのついでに『リサが居る』と伝えると、案の定すっとんで来た虎太郎が可笑しい。
「…もうちょっとストレートでもいいと思うんだけどなぁ…」
「…どっちが?」
「どっちもだよ。」
右京は忍の頭をポンと叩いて玄関へと足を向けた。