とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~


離れた位置からリサと虎太郎を観察する。



「…カワイイよね、リサって…」



「そうか?全然忍の方がカワイイよ。」



「…右京だけよ、そんな事言うのは…」



「当たり前。他の奴になんか言わせないから。」



ニッと笑う右京を小突いて忍も笑った。



虎太郎がリサにキスを落とすのを見て右京は『コホン』とわざとらしく咳をした。



『人の家の玄関でおっぱじめないでくれよー?』



『ないから!右京と一緒にしないでくれる!?』



虎太郎の言葉におどけて首を竦めるとリサがクスッと微笑んだ。



『ありがとう。…シノブまたね。』



『うん!いつでも来てね!』



『忍~…アイツ馬鹿だから本当にいつでも来るぞ?』



『うるさい!ほら、右京は部屋に入って!…じゃあね。』



右京の背中をグイグイとリビングへ押し込みながら忍はリサに手を振る。



虎太郎とリサはそんな二人を見て笑いながら手を繋いで歩き出した。



< 364 / 476 >

この作品をシェア

pagetop