とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




目覚まし時計の音が聞こえ、腕を伸ばしてそれを止める。



…あと5分…。



スヌーズ機能によって何度となくその動作を繰り返し、結局起き上がるのは目覚ましが鳴ってから30分後。



右京の朝はこうして始まる。



まだボーっとする頭でベットの上から動かない彼の鼻をコーヒーの香りが掠める。



「…さむっ…」



基本的に寝るときは何も着ない右京だが、さすがに12月目前のこの季節になると寒さに身震いをした。



近くにあったパーカーを羽織り、欠伸をしながらキッチンに向かう。



「…おはよ…」



「おはよ~!今日は今年一番の冷え込みらしいよ~?」



「ん…すげぇ寒い…」



目玉焼きを作る忍に抱き着き、「あったけぇ」と暖を取る右京に忍は「右京、邪魔。」と素っ気なく言い放った。



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