とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「…冷たいなぁ、忍は…。“暖めてあげる~”とか言えないの?」
「そんな時間はありません!馬鹿な事言ってないで早く着替えちゃって。」
「はいはい」と言いながらゆっくりとクローゼットを開けると、壁に掛けてあるカレンダーに目を留めた。
「あ…今日木曜か…。」
…健康診断の予約入れてたんだっけ…。
といっても右京の場合、普通の病院では後々面倒な事に成りかねない。
その為、先日電話してベッカーに頼んでいたのを思い出した。
「俺、今日午前休だったわ…。」
「そうなの?じゃあ、私の方が先に出勤ね。」
朝食を一緒に取りながらそんな会話を交わす。
最初のうちこそ新婚のように朝からイチャついていたものの、最近では妙に落ち着いてしまった気がしてならない。