とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



う~んと考え込む右京を無視して付けっぱなしのテレビに視線を向け、忍が何か呟いた。



「えっ…?何か言った?」



「ニュースよ。風邪が大流行してるって!」



「ああ、らしいな。職場でも何人か休んでるよ。」



それがインフルエンザなのかなんなのかはよく判らないが、集団感染も懸念されているとか…。



「さて、そろそろ私行くね!」



忍は右京に軽くキスをすると慌ただしく部屋を横切って出て行った。



「…当たり前のようにキスしてったな…」



ついニヤニヤしてしまう自分が少し恥ずかしい。



…もっと忍との時間を作ろう。



じゃないと本当にこのまま老夫婦になってしまうかも。



そして出掛ける準備をしながら、週末のプランを立てるのだった。



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