とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
◇
…不思議だ…。
今出来上がったばかりのX線写真を眺めてベッカーは首を捻る。
『何か異常ある?』
『…君はおかしな事を聞くね~。異常があるかを聞くんじゃなくて、正常な所があるかを聞いて欲しいよ。』
『じゃあ…正常な所はある?』
『皆無だよ。』
『ええっ!?』と驚いた右京がベッカーの脇から顔を出してX線写真を覗き込んだ。
が、すぐに『よくわかんねぇな』と言うと診察室のベットにドカッと座った。
『何がおかしいの?』
『臓器は問題ない。多少配置がずれてるが、ちゃんと機能してるしね。けど…』
…この骨格はなんだ?
肋骨の数も多いし、普通の人間より太い。
もっとおかしいのは肩甲骨だ。
骨折したのか変形したとしか言えないその歪な形をベッカーは食い入るように眺めた。
…不思議だ…。
今出来上がったばかりのX線写真を眺めてベッカーは首を捻る。
『何か異常ある?』
『…君はおかしな事を聞くね~。異常があるかを聞くんじゃなくて、正常な所があるかを聞いて欲しいよ。』
『じゃあ…正常な所はある?』
『皆無だよ。』
『ええっ!?』と驚いた右京がベッカーの脇から顔を出してX線写真を覗き込んだ。
が、すぐに『よくわかんねぇな』と言うと診察室のベットにドカッと座った。
『何がおかしいの?』
『臓器は問題ない。多少配置がずれてるが、ちゃんと機能してるしね。けど…』
…この骨格はなんだ?
肋骨の数も多いし、普通の人間より太い。
もっとおかしいのは肩甲骨だ。
骨折したのか変形したとしか言えないその歪な形をベッカーは食い入るように眺めた。