とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




翌朝忍は早起きをしてシャワーを浴び、まだ寝ている右京からバサッと布団を剥いだ。



「右京~!朝だよ~!」



「…ん…寒い…」



枕に顔を埋めてうつ伏せのまま呟くが、全く起きる気配はない。



そんな彼をゆさゆさと揺すり、耳元で囁く。



「…襲っちゃうぞぉ~」



「…っ!?…ダメ!」



「冗談に決まってんじゃない…」



本気で焦って飛び起きた彼を忍はちょっと睨む。



「…冗談に聞こえないんだよ…」



寝癖で跳ねた銀髪を掻きながらブツブツ言う彼を無視して忍はギュッと後ろから抱き付いた。



「今日一日は私の好きにしていいんでしょ?」



嬉しそうな忍に右京は自然と口元が緩む。



「なんなりと。…何処行く?」



「色々!ショッピングして~散歩して~…夜景も見たいなぁ~!」



Okay…と囁いて首に回された彼女の手に口付けると、やっと立ち上がった。


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