とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
伸びをする右京に「えいっ!」と抱き着いて甘える忍がカワイイ。
「ご機嫌だな~今日は。」
「うふふ…思い切りワガママしちゃうんだから!」
「はいはい」と言いながら忍を背負ったままリビングに移動する。
ふと右京の携帯から着信音が聞こえて二人は同時に振り返った。
忍は「コーヒー淹れるね」と彼の背中から飛び降り、「俺、ブラックでいいから~」と言ってから携帯を開く。
画面の表示された“アラン”の文字に首を傾げながら通話ボタンを押した。
『おはよう、クロウ。』
『…どうした?こんな時間に…。』
『シノブの具合は良くなったかい?』
『何故知っている!?』と聞くのは野暮だろう。
右京は『まあね』と短く答えた。