とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



右京はそんな忍を半眼で睨む。



「…はい、そうですよ!怒ってますけど~?」



ムッと口を尖らせて「悪い!?」と遂に不機嫌を露にした。



忍は右京の腕に絡み付くと嬉しそうに微笑む。



「逆ギレですかぁ~?ふふふ…右京カワイイ~」



…“カワイイ”とか!…普通に嬉しいし…。



忍の一言でさっきまでのイライラが嘘みたいに引いていく。



「はぁ…俺って単純…。」



彼女が笑ってくれるなら大抵の事は許してしまいそうな自分が怖い。



「あっ!ほら、これって右京が好きなヤツじゃない?新しいの出てるじゃん!」



「あ…ホントだ!」



R&Bの新譜を手に右京は買うべきか悩む。



忍に「迷ってるなら買うべき」と言われ、CDを手にレジに向かった。



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