とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
『ヒューガ用のコートなんだけど、ちょっと着てみてよ。体格似てるし…。』
『えー!?俺のじゃねぇの?』
『クロウのはフードのあるタイプよ。その髪は目立ち過ぎるから。』
なるほど…と呟いてコートに袖を通す。
詰襟があるデザインで口元がスッポリと隠れ、表情が解りづらい。
『…もう少し短くても良さそうね…。』
ブツブツと呟きながら、メモを取る彼女に『まだぁ?』と面倒くさそうに愚痴る。
『どう?動きづらくないかしら?』
ベースは以前彼女が作った物と同じだが、タックが数ヶ所多い分、数段動きやすい。
『俺のもこのくらいだといいな。』
右京の台詞にシンディはパアッと嬉しそうに顔を綻ばせた。