とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
シンディは『これは?あれは?』と片っ端からデザイン画を見せはじめる。
…いつまでやるんだ…?
少しうんざり感じはじめた時、タイミング良くベッカーがやって来た。
右京はやっと解放され、ホッと胸を撫で下ろす。
『君の血液検査大変だったよ~』
そう言って診断書を右京に手渡した。
彼の話しだと普通の人間とは明らかにそれは異なり、臨床検査局に何の血液だと問いただされたらしい。
『何たって血小板の数値が高過ぎて…』
『で、誤魔化してくれたんですか?』
『うん、最近見つかった無縁仏の血液って事で。』
…無縁…仏…
それを聞いていたロイがぶっ…と吹き出した。
『リアルバイオハザードだな!』
右京はゲラゲラ笑うロイの頭に拳を降り下ろす。
そんな二人を無視してシンディは『そういえば』と、思い出したように口を挟んだ。