とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
感染の心配がない虎太郎を除いて、手分けをして連絡を試みる。
結果、アランは無事だったがダンはまんまと感染したらしかった。
『クリスは!?』
『い、今掛けてるけど…出ないわ…!』
『行って確認した方が早いんじゃね?』
『行くって?』
『クリスは下のアンティークショップの店主なんですよ。』
ベッカーに説明しているロイの前をシンディが通り過ぎる。
『…あっ!?』
と、突然開いた扉にシンディが顔面を強打して大の字にひっくり返った。
『お、おい!大丈夫か!?』
ビックリして彼女を覗き込んだのはたった今扉を開いたクリスだった。
『…ったぁ…クリス!?あぁ、良かったぁ~!貴方が無事ならいいの!』
『いいんだ…流血してるけど…。』
『…お前が一番無事じゃないけどな…』
鼻血を滴ながらクリスの手を取るシンディを、右京達は憐れみの眼差しで眺めるのだった。