とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
右京は彼女の真似をしてニッコリと微笑む。
「忍ちゃん、知ってる?俺が何日間“お預け”食らってるのか…」
「さぁ…」
「“19日間”だよ。…正しくは“19日と23時間”!」
「あらまぁ!」とおどける忍と数秒微笑み合う。
と、右京の腕が伸びて来たのを見て忍はヒョイと避けた。
「こら…!逃げんな!」
「あはは!…きゃーっ!」
ケラケラ笑いながら逃げる忍を追いかけて部屋中走り回る。
やっと寝室の手前で彼女を捕まえると、そのまま壁に押し付け…。
「もう限界…」と荒っぽく彼女の唇を奪う。
キスをしながら忍は彼のワイシャツのボタンに手を掛けた。
「…右京、知ってる?」
「…なに…?」
「私も限界…」
繰り返されるキスの合間に囁く忍に右京はクスッと笑った。
「知ってるよ。」
そして彼女を抱き上げると寝室のドアを静かに閉めた。