とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



『マルバス…見たことないな…虎太郎は?』



『一度だけ…。でも当てにならないよ?』



『なんで?』



『だってマルバスは姿を自由に変えられるから。』



虎太郎が見た時はライオンの様な姿をしていたらしいが、他の力天使が見た時は小さな子供だったとか…。



『違う悪魔だったんじゃないか?』



『右京、なめてんの?これでも俺、千里眼持ってるから!』



彼の千里眼はその固体のオーブを見透すらしい。



それは人のDNAと同じようにそれぞれ違うと虎太郎は語る。



『マルバスは独特でね。奴のオーブは紫がかってんだ…。あんなのは見たことないよ。』



…紫…



それを聞いて、アダムの契約証である石もアメジストのような輝きだった事を思い出した。



『けど、ここまで解ればあとはこっちから仕掛けられるな。』



『あぁ、valeの次のライヴに先回りすればいい。』



アランの台詞に頷くとロイはキーボードを叩いた。



『次の公演は…』



…“リヴァプール”だ!




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