とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
そんな訳で右京は思う…この機嫌の悪さは全て虎太郎のせいだと。
「…いい大人がいつまでも引きずるなんて…」
「お前なぁ~…誰のせいだと!」
「いたっ!ちょっ…!?いたたたっ!」
ブツブツと呟く虎太郎のこめかみを、右京が拳でプレスする。
そして涙目になった虎太郎に「この馬鹿がっ!」と暴言を吐いた。
「悪かったって言ってんじゃん!でもあの二人なら大丈夫だって!リサはセイレーンだし。」
「リサはいい…忍は普通の人間だぞ!?」
「でもいざとなれば潤を召喚出来るじゃないか!」
確かにその通りなのだが、それでは右京の気が治まらない。
こんな時でさえ“自分が守ってやりたい”と思うのはおかしいのだろうか。