とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



『“vale”ってそんな人気あるんだ…』



何気なく呟いた虎太郎の一言にインカムから予想外の人物の声が響く。




『“vale”はインディーズ時代から人気はあったらしいよ。元々はアイルランド出身みたいだけどね。』



そう喋っているのは間違いなくアランだった。



彼はロイをチラッと睨んで小さく息を吐いた。



『俺の居ないところで君達は何をしてるのかな?』



物腰は柔らかいが、彼が苛立っているのがすぐにわかる。



『言わなかったっけ?ミッションはライヴ終了の30分前だって…』



『い、いや、だけどさ…』



『黙れ、カスが!!』



『か、かす…!?』



『お前のその勝手な行動のせいでいつも後々大変な事になるんだ!』



カス呼ばわりされた右京は場所が場所なだけに反論も出来ない。



< 432 / 476 >

この作品をシェア

pagetop