とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
◇
ガヤガヤと騒がしい客席は満員だった。
大きなコンサート会場と違ってライヴハウスは席らしい席はない。
観客は全て立ち見で、ステージからそう遠くはないだろう。
まだ17時半を回ったばかりだが、舞台裏では既にメンバーが控えていた。
右京は天井付近からその様子を伺う。
愛想の良い笑みをスタッフにばら蒔くテリーが見えた。
『フンッ…嘘クサイ笑顔しやがって…』
思わず溢れた独り言に虎太郎がクスッと笑ったのが判った。
『あ~ヤダヤダ。男の嫉妬はカッコ悪いよ?』
『ほっとけ!』
そんな事は右京本人も解っているのだ。
だが、忍がうっとりとしてしまうくらい甘い声でアイツが歌うのかと思うと、彼の全てを否定してやりたくなる。
ガヤガヤと騒がしい客席は満員だった。
大きなコンサート会場と違ってライヴハウスは席らしい席はない。
観客は全て立ち見で、ステージからそう遠くはないだろう。
まだ17時半を回ったばかりだが、舞台裏では既にメンバーが控えていた。
右京は天井付近からその様子を伺う。
愛想の良い笑みをスタッフにばら蒔くテリーが見えた。
『フンッ…嘘クサイ笑顔しやがって…』
思わず溢れた独り言に虎太郎がクスッと笑ったのが判った。
『あ~ヤダヤダ。男の嫉妬はカッコ悪いよ?』
『ほっとけ!』
そんな事は右京本人も解っているのだ。
だが、忍がうっとりとしてしまうくらい甘い声でアイツが歌うのかと思うと、彼の全てを否定してやりたくなる。