とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
つい先日も帰宅した時にリビングのオーディオからvaleの曲が聞こえて来て、そっと覗くとそれに聞き惚れている忍が居た。
そして不機嫌になった右京をあやすように忍は言った…「右京の声も悪くない」と。
…“も”ってなんだ、“も”って!
今更またそれを思い出し、右京はイライラしいる自分に気付く。
『…一発殴りてぇ…』
『あ~…右京?ターゲットはテリーじゃなくてアダムだからね?』
チッと舌打ちをする右京にアランがため息を着いた。
『クロウ…判ってると思うけど、部外者に手を出すなよ?』
『判ってるよ。…でも、万が一…億が一手元が狂ったら当たるかもしれないよな?…ククク…』
アランは右京の事は諦めたように頭を振ると、虎太郎に声を掛ける。
『ヒューガ…そこのベルセルクが暴走したら頼むぞ。』
『えっ!?俺がぁ!?』
と、思いっきり迷惑そうな声がインカムから聞こえた時、フロアの照明が消えた。