とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「で、今日の予定は?」
「後でアランと会う。…それ以外は忍とまったり。」
優しく微笑んでそう言う右京に忍は「馬鹿…」と少し赤い頬で呟いた。
恥ずかしそうに視線を反らして朝食を取る忍。
そんな彼女に彼は幸せを感じ、一日をスタートさせる。
…ずっとこの幸せが続けばいいのに…。
ただ一人の男として彼女の傍に居たいだけなのに、それすら自分には許されないのだろうか。
そう考えると自然とため息が溢れた。
「…どうしたの?ぼんやりして…」
「………忍…」
「なに?」
「愛してるよ。」
「ぶほっ…!?」
何の脈略もなく吐き出された右京の甘い囁きに、忍は食べていたパンを喉に詰まらせた。