とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



右京はそんな色気のない忍に苦笑しながら「ほら」と水を差し出す。



「そんな動揺しなくても…」



「ちがっ…今のは油断しただけよ!」



真っ赤になって弁解をすると、彼女はその場から逃げるように「ごちそうさま」と席を立った。



食器を洗う忍の後ろ姿しか見えないが、遠目からでも耳まで赤いのが判る。



右京は忍の脇からシンクへ食器を投げ入れながら彼女の腰に絡み付いた。



そして彼女のうなじに唇を這わせる。



「…右京…邪魔しないで…」



「してないよ…俺に気にしないで続けて?」



チュッとリップ音をさせながら首筋にキス。



「んっ…」



ピクリと反応する忍に「なに…?」と右京は惚けて耳たぶを軽く噛んだ。



< 454 / 476 >

この作品をシェア

pagetop