とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「もう!」と怒って水を掛けられ、不貞腐れ気味に退散する右京。
あわよくば…と思ったが、今日も愛しの恋人は手強いようだ。
仕方なく右京は帰国の為の荷造りを始めた。
それから二人で友人への土産やらを買いに出掛ける。
「あ!テリーだ!」
隣の忍は街中で足を止め、清涼飲料水の看板に釘付けになる。
「…もうテリーはいいから…」
放って置いたら一向に動かないであろう忍の手を引いて歩く。
「いいじゃない…ファンなんだから…。あ、そういえばこの前歌番組に彼が出てたんだけど、顔に痣があったのよ!」
「…へぇ…」
「どうしたのかしら…」
…コーラのボトルが顔面に直撃したんだよ。
なんて言えず、「さぁね」と興味なさそうに答え、右京は内心“ざまみろ”と嘲笑う。