とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




夕方にP2へ行くとアランが「待ってたよ」と右京を出迎えた。



『その後アダムから連絡はあったか?』



『いや…でもパンデミックは沈静化したみたいだな…』



『ああ…俺としては不本意な形でだったが…。』



結果的に右京がルシファーと休戦状態になった事でP2が機能しなくなったと彼は嘆く。



だが、あの場合それ以外に手段が無かったのもアランには判っていた。



だから右京を責める事は無かった。



あの時一番怒っていたのは虎太郎だろう。



というのも彼の主はゼウスの配下なのだから…。



無言で去って行った彼の悲しそうな表情が頭から離れない。



まるで“今から俺とお前は敵”とでも言っているかのようだった。



この先彼と対峙する事があったなら、自分は戦えるのだろうか?



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