とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
そうなる前にこの事態を収拾出来る事を祈るしかない。
『にしても、まさかルシファーがタイタンの肩を持つと思わなかった…』
『そうでもないさ。アイツは新世界の神になるのが目的なんだから…。』
ルシファーからしたら、遅かれ早かれ壁になるだろうゼウスはかなり厄介な存在に違いない。
『なるほど…これに乗じてゼウスを討つ気か…』
『それもあるけど、問題はその後だよ。』
ルシファーは絶対にタイタンに矛先を向けるだろう。
その時、自分がそれを阻止出来るかと言えばかなり難しい。
考えれば考えるほど問題は山積みだ。
右京とアランは同時に『はぁ…』と深く息を着く。
とりあえず…とアランは眼鏡を外して目頭を揉むと右京を見た。