とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



「“お前だけって言って欲しかった”…か。…ふふふ…」



「な、なによ!笑わなくたっていいじゃない!」



真っ赤になって怒る忍に右京はゲラゲラと笑う。



「あはは!…嬉しいよ…忍にも独占欲があるのが判って。」



右京が本当に嬉しそうな顔をするから、恥ずかしくて忍は視線を反らした。



「さて…仲直りしたし…飲み行く?」



「…行く。」



手を繋いで歩きながら、右京は思い出したように口を開いた。



「あ、別に俺、結婚を躊躇してたわけじゃないからな?」



「えっ…?」



「なんなら明日にでも籍入れたって構わないよ?」



「あ、明日!?」



「あのクソ親父を説得出来たらね…」



それを聞いた忍は「…あぁ…そういう事…」と思わずため息を溢した。


< 467 / 476 >

この作品をシェア

pagetop