とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



マイクは全く悪びれた様子もなく、とぼけた顔をしてこう言った。




『クロウもバーベキューやるって言ったら、“行く”って言ってたじゃないか…』




言った…確かに言った。




だが、それが平日の大学のキャンパスで…しかも“ランチタイム”でなどと誰が想像出来るだろうか?




右京はちょっと考えて『マイクだもんなぁ』と呟いた。




マイクが普通に“バーベキュー”をするわけない。




何故なら、コイツの頭の中は“異常”だからだ。




右京は溜め息を着くと、諦めた様にステーキを食べる事にした。




マイクは右京の隣に座り、『まぁまぁ』と言いながら日本語で“自由奔放”と書かれた扇子でパタパタと扇いだ。




この男にピッタリな言葉だと思っているとマイクが『そういえばさ』と口を開いた。




『先週“フォトコンテスト”の写真撮りに行ったんだ。』




どうやら以前から趣味だったカメラを本格的に始めたらしい。


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