とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




その後、やっと空いたBOX席を占領して虎太郎の話を聞く。



ウリエルの代わりに黄泉の門番をしていた虎太郎…いや、ハニエルは時々やって来る罪人をタルタロス(地獄)へと送る日々を繰り返していた。



淡々とした日々ではあったが、ハニエルはリサが居る事でそんな生活にも不満は無かった。



…あくまでも“ハニエルは”だが…。



不満を爆発させたのはリサだった。



それはその生活に対してではなくハニエルに対してである。



「何が不満だったんだ?」



話の途中で右京が聞くと虎太郎は「う~ん」と唸る。



「よく判らないんだ…だけど、リサが言うには“態度がムカツク”って…」



「態度?…なんの?」



「俺の…かな?」



その場を見ていない右京達には判らないが、リサは理由なくキレたりするヤツじゃない。



「虎太郎君がなんかやらかしたんじゃない?」



「ん…。多分…でも彼女に聞いても“自分で考えろ”の一点張りでさ…。」



仕舞いには「それが判るまで帰って来るな!」と追い出されたらしい。



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