とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
マイクは彼の叔父から『一眼レフを貰った』と先日話していた。
『例のカメラ使いに行ったんだ?』
右京は口の中の物を二本目のコーラで流し込みながら聞く。
その一眼レフはアナログカメラでその場で画像を確認することが出来ない。
だから自分の撮った物がどんな写真になっているか判らなかった。
『…で、帰ってから現像に出して昨日取りに行ったんだよ。』
マイクはワクワクしながら自分の作品を一枚一枚確認していると奇妙な写真が混じっているのに気付いた。
『奇妙って?』
『う~ん…口では言い表せないんだけど、何かの残像みたいな…。でな?思い出したんだよ。』
その時はあまり気にして無かったらしいのだが、森で何かの気配を感じたんだとか。
その話を黙って聞いていたアランが『その写真は?』と口を挟んだ。
『部屋にあるよ?見たい?』
『是非。後で行くよ。…クロウも見たいだろ?』
そう振られて右京も頷くとマイクは嬉しそうに笑った。
どうやら二人が自分の作品を見たがっていると勘違いしたみたいだったが、右京は敢えてそれを否定しなかった。