とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
去年の年末に谷地と彼女の彼氏を交え、4人で飲んだ事があった。
それをきっかけに右京は谷地の彼、誠司ともたまに連絡を取ってるらしい。
右京と違って誠司は落ち着きのある“大人”な感じだった。
「誠司さん、今年で30になるんだって。んで、そろそろ結婚を考えてるみたいなんだ。」
「ええっ!?…谷地さんそんな事なにも言って無かったよ?」
「ん。誠司さんが言ってないからじゃねぇ?」
ウジウジとしてる誠司に右京はある提案を持ち掛けた。
“じゃあ、俺も忍にプロポーズする!”
…と。
「…まぁ、右京の場合は四六時中してるようなもんだけどね…」
「俺だってちゃんと考えてるよ!…やっぱそういうのはちゃんとしたいじゃん?」
忍は右京の言葉に意外そうな表情をした。
それが不満だったのか、「なんだ、その顔は…」と右京が半眼で忍を睨む。