とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~


あの日も本当はもっとムードのある所で食事をするつもりだった。



「それが…忍がお好み焼きとか言うから~…」



「だ、だって!…そんな事知らないもん!」



慌てて言い訳を始めた忍を見て右京はゲラゲラと声を出して笑った。



「じゃあ本気でプロポーズする時は、お好み焼き屋は無しだからな?」



そう言って右京は大きな欠伸をして眠そうに目を閉じた。



「右京…」



「…ん~?」



「…ありがとうね。」



「ふっ…まだ何もしてねぇよ?」



「あのプロポーズも…嬉しかったよ?」



珍しく素直な忍に右京は閉じていた瞼を開いた。



「忍…愛してるよ。」



「ん…私も…」



右京はちょっと身体を起こして忍にキスをした。



「…やっぱり夜に備えて寝よう。」



「はぁ!?何言ってんの!?」



真っ赤になった忍に右京はクスクスと笑いながら再び目を閉じた。



…しっかりと忍の手を握ったまま…。



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