とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
初夏とはいえ、新潟は少し寒い位だった。
とりあえず二人は宿を目指す。
「右京、温泉入りたがってたよね?」
「ん…。でも契約証があるからな~」
腕のそれがタトゥーにしか見えず、大浴場やプールには入れないのが残念だ。
「ここは大丈夫だよ。」
そう言われて案内された部屋は露天風呂付きの個室だった。
「マジで!?…すげぇ!」
「ふふふ…どぉ?」
「しのぶぅ~!俺…感激した!」
忍に抱き付いて喜ぶ右京に中居さんにまでクスクスと笑われた。
が、次に発した言葉で一同が一瞬凍り付く。
「これって忍が風呂入ってる姿、眺められるんだろ~!?マジ感激!!」
「…ばっ…馬鹿じゃないの!?感激するポイントそこじゃないでしょ!?」
二人のやり取りを聞いていた中居さんは真っ赤になり、そそくさとその場から退散していったのだった。