とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~


初夏とはいえ、新潟は少し寒い位だった。



とりあえず二人は宿を目指す。



「右京、温泉入りたがってたよね?」



「ん…。でも契約証があるからな~」



腕のそれがタトゥーにしか見えず、大浴場やプールには入れないのが残念だ。



「ここは大丈夫だよ。」



そう言われて案内された部屋は露天風呂付きの個室だった。



「マジで!?…すげぇ!」



「ふふふ…どぉ?」



「しのぶぅ~!俺…感激した!」



忍に抱き付いて喜ぶ右京に中居さんにまでクスクスと笑われた。



が、次に発した言葉で一同が一瞬凍り付く。



「これって忍が風呂入ってる姿、眺められるんだろ~!?マジ感激!!」



「…ばっ…馬鹿じゃないの!?感激するポイントそこじゃないでしょ!?」



二人のやり取りを聞いていた中居さんは真っ赤になり、そそくさとその場から退散していったのだった。




< 63 / 476 >

この作品をシェア

pagetop