とある堕天使のモノガタリⅣ ～TORAH～

◇



『…どう思う？』




『どうと言われてもなぁ…。』




マイクの写真を見ながら右京とアランはう～んと唸った。




というのも、写真に映っていたそれは確かに奇妙だったがただの残像にも思えた。




『ただ偶然目の前を通り過ぎた虫の類いとか…？』




右京がそう言うとマイクは『それは絶対に違う』とキッパリ言い切った。




『あの時辺りを何かが凄い速度で飛んでたんだ！虫みたいな羽音も無かったし、そんなに小さい感じでも無かったんだって！』




右京はふーんと興味なさそうに言うと何枚かあるうちの一枚を抜き取った。




『これ一枚借りていい？』




右京達が所属している秘密結社“Ｐ２”にも解る奴が居るかもしれない。




右京はアランに『また後で』と耳打ちして男子寮を後にした。




腕時計に視線を落として滞在中のアパートへと急ぐ。