とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




右京達が宿に戻って暫くすると、部屋に夕食が運ばれて来た。



浴衣に着替え、それを食べながら右京はあの寺院での不可解な点を口にした。




「あの住職の話、ちょっとおかしくなかった?」



「そぉ?」



「なんとなく違和感があるんだよなぁ…」



そう言いながら刺身を食べる右京に忍は「深く考え過ぎだ」と笑った。



「でも、自縛霊の話が嘘ならいいな~…ここからそんなに離れてないし。」



「…それはどうでもいいよ…」



「よくないわよ!…どうするの!?夜中に幽霊が出たら~!」



本気でそう言う忍に右京は「大丈夫だよ」と微笑んだ。



「俺がずっと一緒に居るから。」



「…ホント…?」



「ん。…忍に追い出され無ければね?」



忍は“今日は右京に優しくしよう”と決めた。




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