とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~


丁度右京達が食事を終えると、仲居さんが部屋にやって来た。



「お布団お敷きしますね。」



「ありがとうございます。…いいね~日本の宿は…至れり尽くせり!」



「日本の宿はお気に召されましたか?」



それを聞いていた忍がプッと吹き出した。



…俺日本人なんだけど…



だが、いちいち訂正するのが面倒なので「はい」と答える。



「あ…そうだ。あの温泉入ってもいい?」



「どうぞどうぞ。源泉から引いて…」



話の途中で右京が浴衣を脱ぎ出し、仲居さんがフリーズする。



「こ、こら、右京!!」



「なに?」



「なに?…じゃなくて!!」



仲居さんが「ごゆっくり!」とそそくさと退散すると、右京はニィと笑った。



「やっと邪魔者が居なくなった。」



「えっ?…まさかわざと!?」



「当たり前!!…ほら、忍!温泉入るぞ~!」



はしゃぐ右京に忍は溜め息を着いて「判ったわよ」と露天風呂に向かった。



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