とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「…また遠距離か…」
そう呟く右京に忍は眉を寄せた。
「…何言ってんの?遠距離はもうやだって意味よ!」
キョトンとしている右京に忍はクスクスと笑った。
「行くよ…私も。…連れてってくれる?」
右京は返事の代わりに彼女の唇を奪う。
そして彼の手が忍の帯をほどき…
その手が彼女の身体を強く引き寄せた。
触れ合う肌と肌は熱く…激しくお互いを求め合う。
忍のひとつひとつを確かめるように口付ける右京に、彼女は吐息を漏らした。
「…ごめん…俺、余裕ないみたい…」
忍が欲しくて欲しくて堪らない…。
「優しくしてくれなきゃやだよ…?」
「ん…努力する。」
そう言って二人は顔を見合わせて笑った。