とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



そのあとは社内を叔父に案内され、その度に社員に取り囲まれる羽目になった。



その為右京は絶えず顔に笑顔を貼り付けていなければならず、帰る頃にはぐったりだった。



「お前にしちゃ上出来だ。」



「ありがとう…もうこの笑顔は剥がしていいか…?」



そう言う右京を見て叔父はゲラゲラと笑った。



「あと一ヶ所、俺の部署が残ってる。まだその“面”は付けてろよ?」



「勘弁してくれよ…もういいだろ…?」



ぶつぶつと愚痴を溢す右京を叔父は自分の職場へと引きずって行く。



廊下で嫌がる右京の首を叔父が掴んだ時、後ろから声が聞こえた。



「…黒崎部長…?何してるんです?」



二人は同時に振り返ると、不思議そうに自分達を眺めている若い女性と目が合った。



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