とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
彼女は右京を見ると目を見開き、何故か少しびっくりしたようだった。
「やぁ、相川さん。今度うちの会社に就職する事になった、うちの息子だよ。」
「…あ…あの…黒崎右京さんですよね?」
自己紹介をする前にそう言われ、右京と叔父は顔を見合わせた。
「そうですが…えっと…何処かでお会いしましたっけ…?」
彼女は「やっぱり!」と嬉しそうに笑った。
「私、同じ高校だったんです!学年は一つ下ですけど…!」
「へぇ…」とあまり関心なさそうな右京とは別に、隣の叔父は興味津々である。
「右京と同じ高校!?…コイツ高校時代どうだった?…やっぱり不良…?」
…“やっぱり”だと…?
思わず眉がピクリと動く。