とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「いえ!不良だなんてとんでもない!」
微妙な右京の表情に気付いたのか、相川が慌てて叔父に「違うんですっ!」とまくし立てた。
「別に本当の事を言っていいから…」
「だから違うんですって!」
右京はわざとらしく深い溜め息を着くと「そうか…」と呟いた。
「…俺をそういう目で見てたワケか…」
そしてクルリと回れ右をするとスタスタと今来た廊下を戻り出した。
が、直ぐにガシッと首を掴まれ引き戻される。
「っんだよ…放せ、クソ親父!!」
「黙れ、クソガキ!!」
「いたたたたっ!!…耳引っ張んなっつーの!」
「千切れる」と叫びながら引きずられて行く右京を相川は唖然と見送るのだった。