イケメン大奥
何を?
「大奥にまた来たいときには、心の中で俺を呼べ」
来たくなるか、分からないけど、
「分かった。心の中で、呼べばいいのね?」
「そう。運が良ければ、またここに来られる」
キヨはブレザーを脱ぎ捨てて、芝生の上に寝転んだ。
あたしもまねて、芝生に寝転ぶ。
「きっと、ここに戻りたいときには、俺を心の中で呼ぶんだ」
目を閉じて空を仰ぐキヨの横顔は切なくなるくらい、整っている。
「お腹がすいたら、食事を用意させるから、言えよ」
うん。