イケメン大奥


キヨ…聞いている?




『聞こえていますよ』


頭の中に響いた声。自分の内側からの声じゃないことに気づいて、


あたしはビックリして思わずカップ麺をひっくり返しそうになった。



ほんとに、本当に、キヨ?


あたし、もう一度、そっちに行っていいかな? 「女子禁制の大奥」へ。




『おひとりだけなんですよ。一日にひとりだけ、来られます』



続けてあたしの頭に送られたキヨのメッセージは、



今のあたしには、ものすごくショックな言葉。






あたしは、今日は選ばれなかった、ということなの?



『ええ。先に入口を入った方がいらっしゃいました』



抽選なの? 入口に入るのって。





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