イケメン大奥
カップ麺の汁を捨てて、あたしは携帯を閉じた。
ゲームの大奥も面白いけど、あたし自身がやっぱり「大奥」に行きたい。
昨日は眠ってしまったから、タイムリミットが来てしまったんだろうけど、
もっともっと、
あの世界で羽を広げて、楽しみたいの。
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昼休みを終えて、また鮮魚売り場に立つ。
「あ~おかえりぃ」
ミナミおばちゃんの緩い声は、あたしの頭を素通りしていく。
今日は、早く帰って、一刻も早くキヨと連絡を取らなくちゃ。
あたしは次の上様となるべく、
気合を入れた。