イケメン大奥


この大奥の男性たちは個性的で、あたしを飽きさせない。次々と周囲でめまぐるしく事が起こるのから胸が騒ぐ。


大奥でフェンシングの決闘か……。面白そう。



「あれ? キヨは」


レンが兄の袖を引っ張ってアピールする。


「上様がお声かけされなかったので、不満なんでしょう」


「全く……正直な奴だな。上様、呼んできていいですか?」




もちろん。バカ正直で活動的なキヨは、最初に出会い親しくなった男性。


大事な大奥での……えっと、そうだ。


「レイ、お願いだから、キヨを御年寄として認めてあげて」



大奥に来ることが出来たのだから、約束は守らないと。役回りを気にするキヨだから、役なしはプライドが許さないんだろう。



「上様の命とあらば、わたくしは構いません。……もしも、わたくしが嫌だと言ったならば、聞き入れてくださるのですか?」


レイはまた意地悪を言う……、


仲良くして、と言うのも都合のいい話だし。
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