イケメン大奥


衝立を外してレイとキヨにも披露する。



「驚きました……お似合いです」


すぐに嬉しい言葉を返したのが、レイ。あたしも、驚いちゃった。



『何を着ても、綺麗だって』



歯の浮くようなセリフが、頭の中に響いてくる。これはキヨね。腕組みをして、静かにあたしを眺めている。


「行くか」


キヨが腕を解いて、ドアに向かう。


「参りましょう」


レイも歩き出す。何処へ行くの?


『決闘の間。俺がレイと戦うのを見たいんだろ?』


キヨには心の内が隠せない。……だから、あたしがレイの事を気にしていることも、お見通しだよね、ごめんなさい。


『謝ることじゃない、あや姫は上様だから、心のままに動けばいい』


拗ねてるの?
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