天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ

捜査隊は2年校舎へと足を進める。

既に多くの生徒が下校してしまった、人通りの少ない校舎。

しかし。

「お、あれじゃあねぇかい？」

宜虎が顎をしゃくって指す。

その先にいたのは、黒いフードで体や顔を隠している、見るからに謎の人物。

全身黒ずくめ、いつこちらを向いて闇の魔法や異世界から召喚した魔物を放ってきても違和感のない出で立ちだ。

（怪すぃいぃぃいぃいぃぃっ！）

そりゃあ皇帝も内面ツッコミせずにはいられまい。

薄闇に包まれ始める校舎を歩く、黒いフードの人物。

めちゃめちゃ絵になるシチュエーションだった。