天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ
「お入り下さいな、お二人」

月の鈴のような声に呼ばれて。

「失礼する」

「お邪魔」

二人の男が生徒会室に入室した。

体育科教師の夕城 翡翠(ゆうしろ ひすい)、そして2年の御雷 疾風(みかずち はやて)。

「この二人が、今回の騒ぎがおさまるまでの間は特別に警戒に当たってくれます。いわば特別役員ですね」

「異議あり!」

アルフレドが挙手した。

「翡翠先生はともかく、御雷は夏休みの『校舎半壊事件』の実行犯の一人ではないですか!ブラックリストにも載っている破壊者!いわば生徒会の敵対者ですよ?このような男が会長の為になるとは思えません!」

「まぁまぁ、そんなに私の事を気遣って頂いて…」

月が微かに頬を赤らめる。

「だから私は貴方を生涯の伴侶に選んだんですよ?アルフレド君」

えっ、嘘、マジなん?この野郎やるじゃねぇか三白眼!

また役員達が羨望と嫉妬の眼差しをアルフレドに向ける。

「ソユジョーダンヤメテッッ!」

アルフレドはまた悶絶した。

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