天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ
皇帝に手を借りて起き上がりながら、龍太郎は呟く。

「何なんだあの女…執事連れのお嬢と同じ匂いがすんぞ?」

「彼女は何処かの国の姫君であると言い張って、王子様を探しにとかどうのこうの言っているのだ」

皇帝が言う。

「王子様ねぇ…」

そばを食べ終え、顎を撫でる宜虎。

「まぁいいんじゃねぇの?うちの妹みてぇに兄上兄上騒ぐよりゃあ、多少年相応じゃねぇか?月姫は俺にベッタリの兄ちゃん子だからなぁ…」

「いや…月姫のは『兄ちゃん子』ってレベルじゃねぇぞ」

胡乱な目で言う龍太郎。

隠れお姉ちゃん子のお前が言うな。

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