天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ
さ、天神名物龍太郎フルボッコを気の済むまで堪能した所で。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」

筱萠はようやく椅子を置いて呼吸を整える。

「まぁまぁ先輩、落ち着いて…」

ようやく止めに入る美葉。

しかも床に血溜まりを作って横たわっている龍太郎を踏んでいる。

「う、うむ…すまぬ…『カエルのお姫様』たるわしが、このように取り乱してしまって…」

俯く筱萠。

「いえ、仕方ないですよ…恋にはみんな臆病になって、取り乱してしまうものですもん」

瞳をキラキラさせて、ほぅ…とウットリ溜息をつく美葉。

「筱萠先輩頑張りましょう!私は筱萠先輩の恋を応援します!」

「み、美葉!」

安い三文芝居を繰り広げる足元で。

「う゛…う゛う゛…」

二人に足蹴にされた龍太郎が呻いた。

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