天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ
資質もある、実力もある、魅力もある。

リーダーとしては案外申し分ないかもしれない美葉。

しかし毎度御馴染み、美葉は方向感覚に残念な人なのだ。

「天神学園に入学して半年以上経過するというのに…」

ジト目で溜息をつく遥。

「るさいるさいるさいっ!可哀相な人見るような目をするなっ!」

赤面しつつ怒鳴る美葉。

「迷子センター連れてってあげようかぁ?んん?ママもうすぐ来てくれるからねぇ」

プププと笑いながら頭を撫でるヴリトラの手を、美葉は払いのける。

「その…何というか…気にするな美葉…方向音痴だけで人間の価値が決まる訳ではないのだ…強く生きろ」

筱萠の慰め方はかえって傷つく。

「俺でも目的地にくらい一発で辿り着けるのに…」

スペシャルバカに負けているというのが、美葉の自尊心を著しくクラッシュさせる。

そんな中。

「…ん…おお?…ここどこでぇ?」

ようやく迷っている事に気づく宜虎。

(超のんびりしてるよこのヤンブラコン兄ぃいぃいぃっ!)

今回皇帝はツッコミに忙しい模様。

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