天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ
さっさとリーダー交代して、他の者が道案内すればいいようなものだが、迂闊に手を出そうとすると、美葉が持ち出した弓で狙撃するのだから始末に負えない。

「…もう駄目だな、美葉が気が済むまで好きにやらせるしかねぇ」

三本目の矢を頭に受けたまま、龍太郎が言う。

ここまでされて死なないとは、もう人間を超越した打たれ強さだ。

「美葉ってこないだの修学旅行の前夜に、夜通し歩いて迷子になってたんだろう?いただけねぇなぁ…」

今夜は夕飯いらねぇと月姫に言い含めておけばよかった…などと後悔する宜虎。

既に当初の目的はすっかり忘れてしまい、日付が変わるまでに帰宅できるかどうかというレベルの話になりつつある。

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