天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ
「だーっ!もうイライラするっ!」

龍太郎がガバッと立ち上がる。

「いい機会だ美葉!お前の筋金入りの方向音痴、俺が矯正してやんぜ!」

彼はヴリトラから手帳の切れ端とボールペンを受け取り、天神学園の見取り図を書き始める。

「ここが現在地、んでこれが校舎、で、ここをこう通ると2年の校舎だ」

よし、バッチリ!とばかりに見取り図を完成させる龍太郎。

「…………」

皇帝、ヴリトラ、筱萠の三人が胡乱な目をする。

「何だこれは…」

「子供の書いた宝の地図ぅ?」

「古代インカの秘宝の在り処か?」

「てめぇらどんだけ失礼なんだこの野郎!」

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